2016.6.11 - 2021.9.28
東洋医学。
ここ数年、漢方を中心に
徐々に世間の興味も
広がっているように思います。
僕も一応、
曲がりなりにも
”東洋医学の専門家”
なので、
今日はちょっと東洋医学の話を
してみたいと思います。
東洋医学って、
”医学”
というくらいだから当然、
人の身体を治すためのものなのですが、
『人の身体を治すためには、
自然界の流れも考慮しなくてはいけない』
という考え方が基本にあるんです。
例えば季節とか。
『人間は大自然の一部だから、
季節によっても身体が変化する』
と考えるんです。
それも踏まえたうえで治療を行う。
これを中医学では
”因時制宜(いんじせいぎ)”
といいます。
西洋医学と大きく異なる考え方の
ひとつですね。
自然界では
春が来てだんだん暖かくなり、
夏が来て暑さがピークになり、
秋が来てだんだん涼しくなり、
冬が来て寒さがピークになる。
そしてまた春が来ます。
実はこれって
1日にも凝縮しているんです。
(気づいている方は
気づいているかもしれませんが)
朝が来てだんだん暖かくなり、
昼が来て暑さがピークになり、
夕が来てだんだん涼しくなり、
夜が来て寒さがピークになる。
そしてまた朝が来ます。
大自然はこのような
無限のサイクル
を繰り返しているわけですが、
人生にも、
これと似た様な流れがありますよね。
生まれてからぐんぐん成長し、
大人になって心身ともに最もエネルギーに溢れ、
そこからはだんだん老いていき、
人生の最後を迎える。
(自然界の法則を考えれば、
やっぱり人は死と同時に
魂の入れ物を変えて
生まれ変わっているのかもしれませんね)
大自然は絶対的なもので、
”人間もその一部”
という考え方が
東洋医学には根付いているのです。
少しでも自然と調和して
逆らうことなく過ごすことが
健康の秘訣と捉えられているのですね。
東洋医学発祥の昔の中国は、
いわゆる
”農耕民族”
で、
天候によって生死を大いに左右されるため、
自然界への観察学が発達しました。
そして
自然を変えることはそもそも不可能
なことを痛感していたので、
医学においても
”いかに自然界と調和して、
体内のバランスを安定させるか”
に重きを置かれて発達したと考えられています。
対して西洋医学発祥の昔の欧米は
いわゆる
”狩猟民族”
で、
生きるためにはとにかく
獲物を捕らえるしかありませんでした。
医学においても
”物理的に悪い部分を見つけだし、
そこに直接アプローチしよう”
といった発想で応用され
発展してきたと考えられています。
まあ、実際には
西洋医学のこの発想はとても優れていて、
だからこそ現代において
西洋医学 > 東洋医学
になっているのだとは思います。
でも、
西洋医学でなかなか難しいもの、
例えば物理的に
アプローチのしようがないものなどは、
全く異なる考え方で治療する東洋医学を
試す価値はあると思うのです。
大自然までを含めて全体をみる東洋医学
と
とにかく局所をみる西洋医学。
おなじ
”医学”
というカテゴリーに属しますが、
内容は全く異なります。
どちらにもそれぞれいいところがある
ということだけでも、
一人でも多くの方にわかっていただきたいですね。
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