2016.10.31 - 2021.9.25
日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの國井(くにい)です。
先日、タイミング法に取り組まれている
初診患者さんのカウンセリング時に、
「今後、不妊治療をステップアップするとして、
人工授精をする意味があるのでしょうか?
人工授精は妊娠率も低く、
果たしてやる意味があるのか?
と思ってしまいます」
と聞かれました。
この方は妊活を始めたばかりですが、
かなり熱心な方で、
妊娠の仕組みを理解していることはもちろん、
体外受精・人工授精の違いや
それぞれの大まかな妊娠率まで
ネットで勉強されていました。
一般に一回あたり
10〜15%の妊娠率と言われている
人工授精をやる意味があるのかどうか。
でも、
やっぱり人工授精で妊娠される方も
現実にたくさんいらっしゃるわけで、
実際にそうなれば
「体外受精の前に人工授精を挟んでおいて
本当によかったーー」
となるわけです。
では、
人工授精をやって妊娠する方は、
なぜタイミングでは妊娠しなくて
人工授精では妊娠したのか。
考えられるパターンは主に以下3つです。
1:子宮頸管をパスできたから
これについては、
とくにフーナーテストが不良な方の
場合に言えることです。
そういった意味でも、
人工授精を挟むか挟まないかを決める
材料の一つとして
フーナーテストはやっておいて
損はありません。
ときおり、
ハナから抗精子抗体の検査をして、
これが陰性なら
「フーナーやる意味ない」
としているクリニックもあるようですが、
個人的にはそれはどうなのかな。。。と
思っています。
フーナーテスト不良 = 抗精子抗体(+)
ではないですからね。
2:精子の卵管膨大部への到達を後押ししたから
人工授精は、精子が放出される場所が
膣ではなく子宮になる分、
受精が行われる卵管膨大部までの距離が
近くなります。
精液所見が悪いことがある方にとっては、
100m走を50m走に変えてくれる
人工授精が著効する可能性があるとも言えます。
3:薬を使うことで、よりタイミングが合った
タイミング法でも使用されることもありますが、
人工授精では基本的に
排卵時期をより確定させるために、
HCGという注射や、
スプレキュア・ブセレキュアなどの点鼻薬を
使われるケースが増えます。
タイミング法では
エコーによる卵胞のサイズチェックのみで、
排卵を誘発させる薬を
使用していなかった方にとっては、
これがいい方向に働く可能性もあると言えます。
ただしHCGについては、
妊娠しなかった場合はデメリットとなる
リスクも持ち合わせていると
個人的には思っています。
※HCGについての過去記事はこちら↓
おおむね、
上記に挙げた3つが、
『タイミング法で妊娠しなかった方が
人工授精で妊娠する理由』
だと思います。
ただし、
ピックアップ障害や
受精障害への解決策には当然ならず、
物理的な面からのみ見れば、
精子と卵子を直接出会わせてしまう体外受精(顕微含む)の方が
妊娠の確率は高くなりますし、
自身の年齢や人生設計を考慮して、
人工授精を飛ばして
体外受精にスキップするのも
間違いとは言えません。
結局のところ、
なにが正解かは結果論でしかわかりません。
だから不妊治療は難しいのですけどね。
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