院長ブログBLOG

FT手術ってどおなんですか?

2016.11.19 - 2021.10.1

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一昨日、とっても嬉しい報告がありました。

41歳の患者さん。

2008年より妊活を開始するも、

なかなか授からないため

2009年冬に不妊専門のクリニック受診。

その後、

タイミング法・人工授精とステップアップ。

それでも授からないため、

体外受精へステップアップ。

しかし4度の胚盤胞移植はかすりもせず陰性。

昨年夏、

当院を卒業された友人のご紹介で来院されました。

その時点で胚盤胞がひとつストックされていたので、

数ヶ月後に移植。

しかし結果はかすりもせず。

僕個人的に、この方に合うと思うクリニックに

「転院されたらどうか」

とお話ししました。

転院後の初採卵で新鮮初期胚を移植。

しかし移植結果はやはり陰性。

ただ、このとき胚盤胞を2つ凍結できました。

その後、

この方のお仕事が非常に忙しくなってしまい、

しばらくクリニックには行くことができず。

ここ最近ようやく落ち着いてきて、

「年内か年明けに凍結胚盤胞を移植しようと

思っています」

なんて話を前回来院時に聞いていたのですが、

一昨日の来院時、

「先生、、、自然妊娠したんです。」

との報告を受けました。

 

妊活歴はトータルで9年。

クリニック通院開始から数えても8年です。

今まで化学流産を経験されたこともなく、

正真正銘、初めての妊娠です。

。。。

このような患者さんをまれにみるたびに、

”ほんとに、妊娠って一体なんなんだろう??”

って感情に素直に襲われます。

もちろん、

最っっ高に嬉しかったですけどね!

本当に幸せなことが

”起きたてホヤホヤ”

な患者さんに接すると、

こっちまで幸せな気持ちになれます。

これを味わいたいがために、

僕らくにい治療院のスタッフは

日々患者さんと真剣に向き合っています。

 

それにしても、

こういった症例を経験すると、

あらためて体外受精お休み中には

タイミングをとることの重要性を

再認識させられます。

どんなに過去の妊活歴が長くても、

ご主人の精液所見が悪くても、

医師から

「自然妊娠は無理」

と断言されていたとしても、

体外受精お休み周期中は

可能なのであれば夫婦生活は持つべきです。

 

 

それでは今日の本題に。

今回もいただいた質問にお答えします↓

 

お名前:かえるさん

ご質問内容:
こんにちは。いつも参考にさせて頂いております。
41才第二子妊活中です。体外受精が上手く行かずにFT手術を考えております。両卵管閉塞です。先生のご意見と患者様の成功例などお聞かせ頂ければと思います。よろしくお願いします。

 

以上です。

かえるさん、ご質問ありがとうございました!

 

ご存知じゃない方のために説明しますと、

FTとは

卵管鏡下卵管形成術
(らんかんきょうからんかんけいせいじゅつ)

のことで、

卵管に閉塞・狭窄がある場合に

開通させるための手術です。

 

手術とはいっても、

膣から挿入した極細のカテーテルに

超小型カメラを通し、

卵管内腔を観察しながら、

閉塞部・狭窄部でバルーンを膨らませて

開通を試みる方法なので、

一切「切る」ことはありません。

ただし、そのような方法なので

FTができるのは卵管の子宮近位部に限り、

遠位部は対象外です。

 

FTに関してはですね、

過去に経験されているという方は

しばしばくにい治療院にもみえるのですが、

当院通院中にFTを受けられて

その後自然妊娠を目指すという方は、

診た記憶があまりありません。

やはり不妊鍼灸に来院されるのは大抵、

”なにをやってもうまくいかなかった”

方が、最終手段として鍼灸に期待を寄せて

みえるケースが多いので、

そもそもウチにいらっしゃる方は

・FTを選択肢にいれていない

・過去にFTをやったがダメだった

の2パターンが圧倒的に多いというのが

正直なところです。

。。。せっかくご質問をいただいたのに

全く参考にならない答えで

申し訳ありませんm(_ _;)m

 

ただ、

子宮卵管造影検査をすると、

その後しばらく自然妊娠率が上がるというのは

有名な話ですが、

これに関しては僕も

たくさんの患者さんを通じて

実感してきましたので、

FTもおそらく、

有効に働く可能性はあるのではないかな、

と個人的には思っています。

 

また、

ちょっと話が脱線しますが、

かえるさんは両側卵管閉塞で、

いままで体外受精も

経験されていらっしゃるとのこと。

ご存知かもしれませんが、一応

”卵管回帰説”

の話をしておきます。

 

卵管回帰説とは、

分割胚移植をした場合に、

”胚は一度、

わざわざ卵管に戻ってから成長を続ける”

という仮説です。

自然妊娠の場合、

受精が行われるのは卵管の、

子宮から最も遠い端っこの広い部分、

『卵管膨大部(らんかんぼうだいぶ)』

というところです。

卵管膨大部で精子と卵子が出会って

受精すると、

受精卵は卵管膨大部から

子宮に向かって卵管内を移動しながら

2分割

4分割

8分割

桑実胚

胚盤胞

と分割・成長していくわけです。

 

このように受精卵(胚)が分割・成長をする場所は

”子宮”

ではなく

”卵管”

なのですよね、自然妊娠の場合は。

だから、

たとえば4分割の初期胚移植をした場合は、

胚は成長・分割に適すると思われる場所である

卵管にわざわざ一度戻って、

そこで分割・成長しているのではないか?

という仮説が卵管回帰説です。

この仮説を提唱しているのは、

誰もが知っている新宿の不妊専門クリニック。

ここでは、

両側卵管閉塞の患者さんに関しては原則、

胚盤胞移植を適用しています。

 

卵管に問題のある方に分割胚を戻すのは

適さない可能性が高いので、

そもそも

”あとは子宮内膜に着床するのみ”

の段階である胚盤胞まで

体外培養で育てちゃいましょう。

。。。という方針です。

 

一般に、

胚盤胞まで体外培養することは、

途中で胚が死んでしまい

移植キャンセルになる確率も上がるため

ハイリスクですが、

もしもかえるさんが

胚盤胞移植を行ったことがないのであれば、

”培養技術に長けたクリニック”

でそれを目指すのもアリだと

僕個人的には思います。

※かえるさんの過去の治療歴や

背景は一切不明のため、

それらは無視した上での

話となってしまうことを

ご容赦くださいm(_ _)m

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