2016.12.21
今年もいよいよ終わろうとしていますね。
当院では、
体外受精までステップアップしていて
胚移植に至った患者さんに関しては、
あらゆるデータをとっているのですが、
今年は400件以上の移植に
寄り添わせていただいたことになりました。
来年、統計処理をし、
・どこのクリニックが客観的にみて
着床率が高いのか
・移植日周辺に鍼灸を行うことは
どれだけ着床率を上げているのか
など、
いろいろな側面からデータ化してみたいと
思っています。
より、患者さん一人ひとりへの的確な情報提供が
できることを目指して。
さて、
今日もいただいたご質問にお答えします↓
お名前:ぱんだ嫁さん
ご質問内容:
こんにちは。いつも大変参考にさせていただきながら拝見しております。
現在33歳ですが、不妊治療歴は約一年、
不妊につながる主要因は見つからないものの、AMHが0.3以下と低く、三度のAIH失敗後、体外受精へステップアップしました。
体外での結果は陰性、8週流産、化学流産といずれも失敗。妊娠判定までのホルモン値の検査、内膜の厚さも、問題ありませんでした。また、不育症の検査も特に問題なく、受精卵の質の問題だから、回数を重ねることで成功できるのでは、とクリニックの先生には言われています。
低AMHと卵子の質は関係ない、と説明を受けましたが、グレードのよい胚盤胞を戻してもいずれもうまくいかず、本当にそうなのか疑問に感じています。國井先生はどのようにお考えですか?
また、AMHのこともあるから急いだ方が良い、と言われた一方で、漢方薬局へ相談にいったところ、妊娠できる力があるんだから体質改善を優先すべき、とも言われました。
妊娠が継続出来ない理由が見えない中で、仮に受精卵に問題がないとした場合、妊娠を継続させるために東洋医学的な見地からのアプローチは可能でしょうか?また、私のようなケースの場合、東洋医学的なアプローチ以外で、不妊を改善することはできるのでしょうか。
以上です。
ぱんだ嫁さん、ご質問ありがとうございました!
まず、
「低AMH」と「卵子の質」については僕も
”関係ない”
と思っています。
ただ、AMHが低いということは、
卵巣内の卵子の数が残り少ないことが
示唆されますので、
”質の良い卵子の数も少ない可能性がある”
と考える医師もいます。
妊娠の継続のために、
東洋医学的な見地からのアプローチは
もちろん可能です。
染色体異常による流産は
鍼灸でどうにかなるものではありませんが、
それ以外の原因不明な妊娠継続困難に関しては、
また別角度から体を見つめる東洋医学を
試す価値は十分にあるのではないかと
思っています。
流産を繰り返してしまう方であっても、
東洋医学的なその原因は十人十色です。
そんな中でも、
東洋医学的には以下の原因で
流産されてしまうケースが多いという印象は
僕の臨床経験上あります。
※過去記事
『東洋医学からみた習慣性流産』
https://kuniichiryouin.com/blog/2016/05/touyouigakukaramitasyuukannseiryuuzann/
最後に、
ぱんだ嫁さんのようなケースで、
東洋医学以外にアプローチできることが
あるかどうかですが、僕としてはやはり
”転院”
がきっかけになる可能性はあるかと
思います。
どんなにグレードが良いとされていた胚を
何度移植しても陰性だったのに、
転院することで嘘のようにうまくいってしまう
ケースが少なくないことを考えると、
ぱんだ嫁さんも
別クリニックのアプローチを受けることで
結果が変わる可能性はあるのではないかなと
思います。
ぱんだ嫁さんが現在、
どちらの不妊クリニックで
治療されているのかはわかりませんが、
AMHが低いことも考慮に入れて、
僕だったら、
無理な刺激を極力せずに
主席卵胞を採りにいく、
自然周期採卵で実績のあるクリニックで
治療されることを勧めるかと思います。
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