院長ブログBLOG

生理後に調子が悪く、生理前に調子が良い

2016.12.15 - 2021.10.1

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いま診ている担当患者さん。

精神的に不安定になりやすい方で、

僕としてはそちらも考えた上で

鍼灸治療をしています。

初診のカウンセリングの際、

こんな会話のやりとりがありました。

「どんなとき、精神的に

不安定になりやすいですか?」

患者さん

「生理が終わったときが最も不調で、

低温期から高温期になるにつれて

どんどん安定していきます。」

これ、

東洋医学的にどう捉えるでしょうか?

精神を安定させる物質は、

東洋医学的には

「血(※東洋医学では”けつ”と読みます)」

と考えます。

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女性において、

この血がもっとも旺盛な時期が

”生理前”

で、

もっとも血を失う時期が

”生理終了直後”

です。

そもそも血が旺盛な女性は、

生理前になればなるほど

有り余った血が

かえって滞りを起こしやすくなり、

イライラしやすくなります。

そして生理が来ると血がスムーズに流れだすため

イライラはおさまっていき、

生理終了でスッキリします。

冒頭で述べた僕の担当患者さんはこれとは逆、

そもそも

『血が不足したタイプ』

ということが

カウンセリングからみえてくるのですね。

こうしてたてた仮説に対する

答え合わせになるのが体表観察です。

舌をみると赤みが薄く淡い色。

爪は血色うすく白に近い。

カウンセリングで聞いた情報と

これら体表所見を合わせて、

やはり、東洋医学的に血が不足した状態である

「血虚(けっきょ)」

と診断しました。

最も勘違いしてはならないのは、

「じゃあその患者さんは

西洋医学では貧血と診断されているのか?」

という考え方。

これは違います。

東洋医学は血液検査がない時代の医学です。

先ほどの『血虚』のような

東洋医学的な診断名は、

”カウンセリングと体表観察からのみ”

導きだされるもので、

西洋医学の血液検査の結果はリンクしません。

これは僕ら鍼灸師が

”腎”

だの

”肝”

だの言うときも同じです。

東洋医学的にみて

腎や肝に異常が生じていると言ったとしても、

それは西洋医学的な検査で腎臓や肝臓に異常があるかどうかとは

全く別の話です。

東洋医学はある種、

”イメージの世界”

なんです。

誤解を恐れずに言えば、

身体の中で実際に、

物質的にそれが起こっているかどうかは

そこまで重要ではないのです。

イメージの世界の話だとしても、

実際に東洋医学的な仮説をたてた上で

それを整えるための鍼灸治療をすると、

いままであった自覚症状が

改善していったり、

体表所見が変化していくことが

少なくない現実があるのです。

 

 

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