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不妊治療中は”TSH2.5以下”に拘るべきか

不覚にも風邪を引いてしまいました!
普段、僕は滅多に風邪を引きませんが、
昨年もちょうどこのくらいの時期に
原因不明の高熱が
数日続いたことがあったのですよね〜。

念のため内科で
インフルエンザの検査をしてもらい、
こちらに関しては陰性を確認。

しかし患者さんと喋っていると
咳が出てしまうことシバシバ。。

体調管理の大事さを痛感です。

さて、
本日もご質問をいただいております。


お名前:Nさん

ご質問内容:
ご無沙汰しております!2016年秋冬にかけてクリニック通院と兼ねて貴院でお世話になっておりました、Nです。2回の採卵の結果がいまいちで貴院に駆け込み、3回目の採卵で1個新鮮胚移植⇒妊娠、胚盤胞4個凍結、という素晴らしい結果を出せたのは、間違いなく國井先生の治療のお陰だったと確信しています。本当にありがとうございました!
以下質問です。

出産後、ちょうど1才のお誕生日を迎えた頃に自然妊娠したのですが、卵の生命力が弱く胎嚢の成長が早々に止まってしまい、少し待って9週で稽留流産確定となりました。そこで先月から、凍結していたお迎え待ちの卵ちゃんの移植のため、クリニックに復帰したのですが、血液検査でTSHの値が2.77と高く(通常範囲で普通は治療不要だが不妊治療中の女性にとっては高めで治療が有効と思われる、というレベルとのこと)、着床の確率には関与しないが、着床後の胎嚢の成長と妊娠の継続に必要な甲状腺機能が不足している状態(その反応でTSHが高まる)とのことでした。表参道の甲状腺専門病院への紹介状を出されました。
前回の流産は、この甲状腺機能低下症とは関係ないでしょう、とも言い切っていました。クリニック医師のこの治療に対する必要性の認識度はそこまで高くなく、念のため…というニュアンスが非常に強かったのでできれば不要な治療は避けたいと考えましたが、一応表参道の病院にはかかってきました。すると、そちらの医師も血液検査の結果をみて「治療の必要性については賛否両論ありますが、チラーヂンを服用することにデメリットはないので、治療していきましょう」というなんとも微妙な温度感でした。出産まで服用を続けるのだそうで、一か月後にまた経過をみることになりましたが、私としては、正直なところ不要な通院ストレスと投薬は避けたいと思っています。同じく来院されていた周りの患者さんを見る限り、30代~40代くらいの女性が非常に多く、不妊治療の一環で甲状腺治療をされる方がとても多いように見受けられました。そのことで、なんとなく「ビジネス」の臭いがしてしまったので、余計に不信感が募ってしまったのかもしれません。どうも先生方の説明から察するに、貧血で鉄剤を服用するのと同じような感覚に受け取ってしまいましたが、胎嚢の成長を促すにあたって薬の服用がどんな意味合いを持つ治療なのか、もし國井先生の観点からご存知のことがございましたら、ぜひご教示願えますでしょうか。


以上です。

Nさん、お久しぶりです。
ご出産報告はいただいておりましたが、
まさかメルマガの質問コーナーから
直接ご質問いただけるとは
思っておりませんでした!

そうでしたか、
嬉しい自然妊娠後に
そのような結果となってしまったこと、
僕には察するにあまりあるほど
お辛かったことと思います。

TSH(甲状腺刺激ホルモン)、
”妊娠を望むのであれば
2.5μIU /mL以下が好ましい”
というのは今や都内でも
多くの不妊専門クリニックが
取り入れている指標です。

僕もこれについては
数年前から来院される患者さんを通じて
認識しておりました。

この根拠になっているのは
2010年に発表された論文のようで、
妊娠8〜9週の妊婦4123人を、
TSH2.5未満3481人と
TSH2.5以上642人に分けて追跡調査。

結果は
TSH2.5未満の群が3.4%、
TSH2.5以上の群が6.4%の
流産(死産含む)率で、
TSHが2.5以上だと
有意に流産率が高くなったとのこと。

※「いずれにしても随分流産率が低いな」
と感じるかもしれませんが、
対象が妊娠8〜9週の妊婦さんなので
妥当です。

これを元に、
米国甲状腺学会、
米国臨床内分泌学会、
欧州甲状腺学会のガイドラインには実際に
「妊娠を目指す女性は、
甲状腺機能が正常の場合でも、
TSH <2.5 に維持するのが望ましい」
と明記されているようです。

。。。端的に言ってしまえば、
今回のNさんのご質問は
これをどう捉えるか、
というところでしょうね。

上記論文内容(端折っていますが)を
根拠に見てもわかるように、
統計上有意差は出たとしても、
93.6%の人はTSH2.5以上でも
出産したわけですからね。

また、
妊娠初期はhCGというホルモンの影響で、
TSHが妊娠前よりも下がる傾向にあるため、
「妊娠前のTSHはもう少し高めに設定しても
いいのではないか」
という主張もあるようです。

田園都市線沿いの有名クリニックでは独自に
TSHが体外受精の成績に影響するのかを
検討し、
「本来の基準値(0.2〜4.5)内であれば
流産率含めて成績に有意差はなかった」
と結論づけて日本生殖医学会で
発表していたりもするようです。

>>「治療の必要性については賛否両論ありますが、チラーヂンを服用することにデメリットはないので、治療していきましょう」というなんとも微妙な温度感でした。

まさに賛否両論で、
今後もこの見解は覆る可能性も
あるのでしょう。
ただ、その後ドクターがおっしゃったように、
「チラーヂンを服用しても
デメリットはないから
とりあえず飲んでおきましょう」
というスタンスが全てなのだと思います。

>>私としては、正直なところ不要な通院ストレスと投薬は避けたいと思っています。

そうですよね。
ただでさえ育児と不妊治療の通院で
大変だと思うのでお気持ちお察しします。

そもそものTSHが2.77ですからね。
妊娠を考えない状況であれば基準値内ですし、
上限2.5と考えてもすぐそこです。

もしもどーしても避けたいのであれば。

次回検査時に2.5を下回らず
移植が延びたりしてしまうリスクを
覚悟できるのであれば。

日常的にヨードの摂取を減らすことを
少し心がけて生活してみるのは
一つの方法かもしれません。
(ヨードはTSHを上げる要因に
なりえます)

ヨードを多く含む
・昆布、とろろ昆布
・昆布のだし汁
・ひじき
などは避けて、また、
イソジンでうがいをする習慣がもしあれば
それもやめて生活をして、
次回検査にトライしてみてはいかがでしょうか。

以上です。
Nさん、
あらためましてご質問ありがとうございました!
移植が成功されること、
心よりお祈りしております。

また、よかったら
移植に合わせてでも鍼灸受けにきてくださいね笑


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