2019.10.1 - 2021.11.4
最近は動画を続けておりましたが、今日は久しぶりに文章で。
いつかのブログでも書かせていただいたことがあるのですが、
現在、都内の主要な不妊専門クリニックでは
PGT-A(着床前スクリーニング)を取り入れているところが増えています。
PGT-A(着床前スクリーニング)とは、
胚盤胞から胚の生検を行うことにより、その胚盤胞自体に染色体の数的異常がないかどうかを事前に調べる方法です。
これにより、染色体異常による流産を避けることが期待できるというメリットがあります。
少し具体的なお話しをすると、、、
胚盤胞の細胞は
・内細胞塊(ICM)・・・のちに赤ちゃんになる部分
・栄養外胚葉(TE)・・・のちに胎盤になる部分
の2つの部分に分けられます。
もしもあなたが体外受精を経験されているとしたら、胚盤胞のグレードで、
「4AB」
とか、
「4BC」
とかみたことありませんか??
このアルファベットが2つ並んでいる、
前半部分が内細胞塊の評価、
後半部分が栄養外胚葉の評価
です。
PGT-A(着床前スクリーニング)は、この栄養外胚葉の方から細胞を数個とりだして調べているのだそうです。
僕が普段みさせていただいている、都内の不妊専門クリニックに通う相談者さんも、PGT-A(着床前スクリーニング)とセットで体外受精される方は今年さらに増えた印象です。
実際に正常胚ができてそれを戻して妊娠し、現在安定期に入られている方がいる一方で、正常胚を戻したけれど残念ながら陰性となってしまった方もいます。
どこのクリニックも、正常胚を移植したあたりの妊娠率は50〜60%くらいの幅で患者さんに説明されています。
PGT-A(着床前スクリーニング)は非常に合理的な方法で、特に染色体異常による流産を経験されてしまった方などに関してはとりいれたい方法だと思います。
しかし、細胞をとりだすことの胚への影響を懸念する声もあります。
胚盤胞は、例えば
AB
よりも
BA
の方が着床率が高いとされています。
つまり、こと
”着床”
に関しては、
「内細胞塊よりも栄養外胚葉の評価の方が影響する」
ということです。
そして栄養外胚葉はその細胞の数が多いほど評価が高くなります。
つまり、従来の胚盤胞の評価基準で言えば、PGT-A自体がそれを行わない選択と比べれば着床率を下げかねない行為とも捉えることはできますよね。
(とはいえ、それでも正常胚は妊娠率が高く、流産率は低いとされていますが)
このまま国内でもPGT-A(着床前スクリーニング)の臨床件数が蓄積していった場合、数年後の日本の不妊治療にとってPGT-Aはどんな位置づけになっているのか。
今はまだ想像がつきません。
PGT-Aについて、詳しくは以下記事で解説しています。
「DNAとは何か」
「染色体とは何か」
から噛み砕いて説明していますので、よろしければご覧になってみてください。
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