院長ブログBLOG

体外受精中の基礎体温について

2019.11.23 - 2021.9.29

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日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの國井(くにい)です。

今日は相談者さんからよく直接聞かれる質問について書いてみようと思います。

体外受精中の患者さん、基礎体温をよく気にされます。

移植周期中は特にですね。


基礎体温と女性

基礎体温を必ず測るように指示しているクリニックもあれば、

「ストレスになるくらいなら測らなくてよい」

というスタンスのクリニックもありますね。

どっちのクリニックであっても

基礎体温を測っている方からすれば、基礎体温の動向が気になるのは

当然と言えば当然です。

では、体外受精中の基礎体温は実際にどの程度気にするべきなのか。

これはあくまでも

”國井の個人的意見”

として。


体外受精中の基礎体温は、

”新鮮胚移植のとき”

”凍結胚移植を自然周期で行うとき”

に、

黄体期が安定しているかの目安となるくらいで、

それ以外ではあまり意味がないのでは?と思っています。


基礎体温は

”黄体ホルモン”

が視床下部の体温調節中枢に働きかけることによって上がります。

そして黄体ホルモンは、

排卵した後の卵胞の残骸が変化したもの=黄体

から分泌されるので、基本的に排卵後(or採卵後)から体温は上がります。

黄体ホルモンは着床〜妊娠が維持されるために必須のホルモンです。


例えば東京都内の自然周期採卵で有名な体外受精専門のクリニックは、

移植後から判定までの間に基礎体温が著しく下がった場合はクリニックへの通院を促しています。

これは基礎体温が下がっている理由が黄体ホルモンの不足なのであれば、

その薬の処方を追加するためです。

逆に言えば、移植後に基礎体温が下がったとしても、採血の結果、黄体ホルモンが足りているのであれば、薬を追加することに意味はありません。


そもそも

「基礎体温を上げるために薬を追加する」

のではなく、

「基礎体温が低いと黄体ホルモンが不足していることが示唆される」

というだけです。

つまり、

基礎体温を介して黄体ホルモンの善し悪しを推察しているのですね。


例えば凍結胚移植においても、自然周期であれば自己黄体からの黄体ホルモンが不足する可能性はあるため、その目安として基礎体温を測ることは一定の意味があるかもしれません。

が、

自己黄体を持たずに薬に依存するホルモン補充周期であれば、薬の用法用量をしっかり守っていれば黄体ホルモンが不足することは基本的にありません。


※凍結胚移植における
『自然周期』と『ホルモン補充周期』
についてわからない方は以下動画を参照

凍結胚移植:自然周期とホルモン補充周期について

まとめると。

”体外受精において基礎体温が必要”


と考えるのであれば、それは主に

”移植後に黄体ホルモンが不足した際の目安”

として使えるだけで、

採卵のみの周期やホルモン補充周期による凍結胚移植周期にはあまり意味を為さない。

。。。と”僕は”思います。


以前にも書きましたが、実際に基礎体温が上がらなくても黄体ホルモンはしっかり分泌されている、というケースすらありますからね、


※過去ブログ
『移植後も基礎体温が低いまま』
https://kuniichiryouin.com/blog/2016/05/isyokugomokisotaiongahikuimama/


あくまでも”体温”ですから、外気温の影響だって容易に受けますし、基礎体温に必要以上に気をとられるのはあまりお勧めしません。


☆國井個人の見解です。

基礎体温測定の有無や重要性については通院中のクリニックの医師の指示に従いましょう。


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