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“妊娠を望み、2年以上夫婦生活を営んでいても妊娠に恵まれないこと”
…これは日本における不妊症の定義です。ご存じの方も多いかもしれません。また、近年では上記の「2年」を「1年」としたほうがいい、という流れが高まりつつあります。実際に欧米においての不妊症の定義は「1年」となっています。
『カップルが1年間避妊せずに夫婦生活を送ると80~90%の確率で妊娠にいたる』ということが統計的にわかっています。やはりその妊娠しない側に入るカップルには何かしらの妊娠しない原因がある可能性が高いので、「1年間避妊なしで妊娠しなければ不妊症検査してみては?」というのが現代不妊医療における流れということですね。
しかし、これはあくまでも定義や確率の話で、実際に児を望み5年や10年たってから自然妊娠されるご夫婦だっていらっしゃるわけですから、一概に「○年間妊娠しなかったら不妊治療をうけるしかありません」なんてことは当然言えません。東洋医学的観点から見ても、ご夫婦どちらか一方が大きなストレスを抱えていたり、不摂生が過ぎる生活を送っているときなどはそれだけで妊娠しづらくなりますし、逆にそれらが解消されるだけで妊娠しやすくなることだって考えられます。
ただし、一つだけ認識しておいて頂きたいことは、西洋医学的観点からしても東洋医学的観点からしても妊娠にはタイムリミットがあるということです。特に女性側においての年齢という因子は妊娠・出産に大きく影響します。
女性の妊娠する確率は20代前半をピークにし、そこからは徐々に低下していきます。30代後半を過ぎると妊娠率の低下はさらに加速し、それと逆行するように流産してしまう頻度は増加します。これは“卵子の質の低下”によるものと考えられています。
たとえば無精子症による男性側が原因の不妊のカップルがいたとします。この場合、昔では精子と卵子が出会うすべがない為、妊娠は絶望的でした。しかし現代では生殖補助医療の進歩により、精巣内に一匹でも精子を見つけることができればそれを採りだし、女性からも卵を採りだし、体外で顕微授精させて子宮に戻す、というチャレンジも可能です。このように現代不妊医療においては、原因さえ特定できれば不可能と思われるような状況でも有効な方法が用意されているのです。
ここで考えてみましょう。このカップルが妊娠を望んでから1年で「不妊かも…」という不安を抱き、クリニックを受診して男性側の無精子症を発見できた場合と、10年たってようやくクリニックを受診して無精子症を発見できた場合。前者・後者ともに、先程述べたような形で妊娠を目指すことができるとします。しかし後者では、無精子症という男性不妊因子以外にも、卵子の質の低下という女性不妊因子が新たに生まれている可能性が高くなってしまいます。このように、前者と後者、同じカップルが同じ不妊医療をうけるにしても、治療を開始する時期(不妊症であることを認識する時期)の違いにより妊娠・出産にいたる確率には大きな差が生まれてしまうのです。
不妊医療は著しく発展を遂げました。それにより以前では妊娠が不可能と思われた多くのカップルからも喜びの声が聞こえる時代になりました。しかし、それでもなお現代不妊医療において、「年齢」という大きな壁が立ちはだかっていることも事実です。だからこそ「なかなか子どもができないな…」と思うようなことがあれば、自身の年齢を考慮したうえで、まずは検査だけでも不妊専門の医療機関に受けに行かれることをおすすめします。
もしも「はじめから病院に行くのはちょっと抵抗がある」という方は、どうぞお気軽に当院へ相談しにいらしてください。不妊カウンセラーとしてあなたの疑問にできる限りお答えします。