院長ブログBLOG

着床後の過ごし方

2017.4.25 - 2021.10.25

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日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの國井(くにい)です。

今回は着床後の過ごし方についてご質問をいただいております。

Q:着床後におすすめの過ごし方が知りたい

お名前:Oさん

ご質問内容:
着床後の過ごし方について質問です。
46歳で第二子を希望しています。第一子妊娠時(41歳)の凍結胚盤胞を先日移植しましたが、稽留流産してしまいました。

移植直前まで1日平均1万歩歩き、それ以外に1時間半の運動(音楽体操やヨガ)をしていました。体調も良く、周期も安定しているので、薬も飲まずにスプレキュアのみの自然な状態で移植しました。

移植直後の数値は年齢の割に良く、胎嚢確認までは順調でしたが、7週で心拍を確認した時に胎嚢があまり育っておらず小さく心拍も止まりそうな位に弱いと言われ、8週で流産確定となりました。

かかりつけ医には受精卵の問題と言われました。しかし、着床前はたくさん運動していたのに、着床後はできるだけ安静を心がけたので、それによって子宮への血流がわるくなってしまったことが一因ではないかと私は考えております。

着床後も1日30分程度のウォーキングをした方が良かったのでしょうか? 着床後の過ごし方についてご助言頂ければ幸いです。

以上です。

Oさん、ご質問ありがとうございました。

流産は本当に、僕には察するに余りあるほどお辛い経験です。

癒し画像(公園)

当院にも、過去に流産の経験がある方はたくさんいらっしゃいますし、当院通院中に妊娠されても、少なからずいらっしゃることも正直なところです。

流産のご報告を受けるときは、鍼灸師としても大きな無力感に襲われます。

A:流産の原因は着床後の過ごし方は関係ない可能性が高い

>>かかりつけ医には受精卵の問題と言われました。しかし、着床前はたくさん運動していたのに、着床後はできるだけ安静を心がけたので、それによって子宮への血流がわるくなってしまったことが一因ではないかと私は考えております。

お気持ちは非常にわかります。

流産を経験された方は、妊娠中の自身の過ごし方になにかしらの原因を探そうとされます。

しかし、初期流産に関しましては、かなりの割合で

「胎児の染色体異常によるもの」

であることがわかっています。

>>かかりつけ医には受精卵の問題と言われました。

ここで言われている「受精卵の問題」というのがまさにそれです。

もしも染色体異常があったのだとしたら、これに関してはもうどうすることもできません。

「精子と卵子が出会って、受精卵になった時点で

”すでに決まっていた運命”

で、どんなに安静に過ごしていても、逆にどんなに運動していたとしても、もしくはどんなに普段と変わらない生活を送っていたとしても、結果は同じだった」

と、現代西洋医学では考えます。

こちらについては以下記事で詳しく説明しておりますので、よろしければご覧ください。

>>しかし、着床前はたくさん運動していたのに、着床後はできるだけ安静を心がけたので、それによって子宮への血流がわるくなってしまったことが一因ではないかと私は考えております。

もちろん、流産のすべてがすべて染色体異常によって起こるわけではありません。

今回のOさんの流産が、染色体異常によるものかどうかも、胎児の染色体検査をしてみないことにはわかりません。

それを踏まえた上で、もしも

「染色体異常はなかった」

と仮定した場合のお話もさせていただきます。

東洋医学的には無理のないウォーキングは着床後であってもおすすめ

着床後の過ごし方の指導は医師によっても様々です。

「絶対安静」

のいわゆる

”姫生活”

をすすめる医師もいれば、普段通り生活することをすすめる医師もいます。

、、、僕個人的には、後者と同意見です。

東洋医学では、そもそも染色体という概念が無い分、

「妊娠前〜妊娠後の母体の”気のバランス”によって予後が変わる」

と考えます。

東洋医学の立場から見れば、あまりに体を動かさないことは、体を休められる反面、気の巡りを滞らせることにもつながります。

1日30分程度のウォーキングであれば、妊娠初期の方にも積極的にすすめることが多いです。

ただし、その患者さんの体質やそのときの体調は、十分に鑑みる必要があるということも最後に付け加えさせていただきます。

まとめ

東洋医学的にみると移植後〜着床後の過ごし方はもちろん重要です。

ただし、現代西洋医学の観点からみれば、その過ごし方によって流産の有無が決まるとは考えません。

偶発的に起こってしまったものである可能性が高いと捉えますので、逆にいえば次の妊娠の際は十分に出産まで進まれる可能性が高いともいえます。

流産は本当にお辛い経験ですが、決してご自身をせめることなく、まずは心身をお休めいただき、準備が整いましたらまたゆっくりトライしていかれることをおすすめしたいです。

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