2016.10.4 - 2021.8.10
昨日もメルマガ読者の方から質問をいただいたので、僕なりの答えを書きたいと思います。
※(メルマガ配信は現在終了しております)
お名前:匿名さん
質問内容:
はじめまして。いつも楽しく勉強させていただいています。
質問させていただきたい事は着床の窓についてです。
私は35歳不妊歴4年です。
グレードの良い胚盤胞を3回移植しても着床せず、未だ妊娠に至っておりません。
検査をしても原因は分からず、検索魔になっていたところ『着床の窓』という言葉を知りました。
着床の窓が開く?期間を長くするために、わたしは一日平均1万歩を目標に季節の変化を楽しみながらウォーキングをしています。
その他小豆のチカラをお腹や腰に当てて身体をあたためてリラックスしたりしています。
しかし移植してから判定日までは、このような事はあまりしない方がいいのでしょうか?
以上です。
移植を何度か繰り返されて、結果につながっていない方は、今回ご質問してくださった匿名さんのようにネット検索で
「着床の窓(インプランテーションウインドウ)」
にたどり着く方がたくさんいらっしゃいます。
知らない方のために簡単に説明させていただくと、子宮内膜には胚盤胞を受け入れる
”着床に最適な期間”
があるとされていて、これを
「着床の窓が開く」
なんて言ったりします。
良好胚移植反復不成功の方を対象に、
”本来移植を行う時期”
に子宮内膜組織を採取し、遺伝子レベルで着床の窓が開いている時期を調べる
ERA検査(子宮内膜受容能検査)
というものを行うクリニックも増えています。
ERA検査によって着床の窓が開いている時期にズレが見つかれば、そのズレに沿って移植する方法でチャレンジします。
、、、ただ、この検査が革命的に効果があるかというと、、、
当院に通われる、この検査をクリニックで行った相談者さんの経過をみても、僕個人的には正直よくわからないという印象です。
もちろん、うちでみている相談者さんの数はほんの一部ですし、ある程度、有効性が示唆されたからこそ実施されているのだと思いますけどね。
グレードが良いとされる胚盤胞を戻しても着床しないことを繰り返すのは、察するに余りあるほどしんどいですよね。
ウォーキングを毎日されているとのこと。
これについては大賛成です。
僕がみている相談者さんにも、移植後もウォーキングは普通に勧めています。
東洋医学的に考えても、移植後から判定日までは色々と考えてしまうため、
”気”が鬱々としてきてしまいます。
これを巡らせるにもってこいの”ほどよい”運動がウォーキングです。
ただ、これからどんどん寒くなっていくので、足首周りは冷えないようにするのが肝要です。
『あずきのチカラ』をお腹や腰にあてて温める行為。
これは匿名さんが
「気持ちいい」
と思えるのであれば、僕は特に問題ないと思います。
それこそネットでは
「卵は熱に弱いから温め過ぎはダメ!」
的な話も落ちていますが、それはあくまでも卵を体外で扱う時の話であって、そこまで気にされる必要はないと僕的には思いますね。
「着床の窓を長引かせる方法」
は正直わかりません。
が、ひとつ言えるのは、当院にいらっしゃる前に
”良好な胚盤胞”
を何度か戻してダメだった方が、当院にいらしてから上手くいくケースがあるということ。
これ、特にどんなケースが多いかというと
「クリニックを転院する」
ことで上手くいくケースです。
(もちろん、転院せずに上手くいくケースもあります)
多くのクリニックでは、胚盤胞のグレードは
『Gardner(ガードナー)の分類』
というものを採用していて、
(数字の後にアルファベッドが2つ並ぶやつです)
”すべてのクリニックに共通した評価”
をしているように思われるとおもいますが、良好の胚盤胞移植が何度も陰性だった方が転院先のクリニックで上手くいくたくさんのケースをこの目でみてきた僕としては、やっぱりクリニック間での培養技術の差は確実にあると思っています。
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