2019.11.14 - 2021.11.1
日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの國井(くにい)です。
今回はAMHと体外受精についてご質問をいただきましたので、以下に紹介したいと思います。
お名前:匿名
質問内容:
初めまして。質問させてください。
結婚して1年。今年37歳になり、それなりにSEXもある中でなかなか妊娠しないので、不妊専門病院に行きました。
抗ミュラー管ホルモンを測り、これがとても低く、先生からは
「すぐに体外受精をしたほうがいい」
と言われました。
もう自然妊娠はできないのかと大きなショックを受けました。
時間もお金も余裕がなく、できるだけ体外受精はせずして妊娠したいのですが、もう自然妊娠を目指すことは難しいのでしょうか。鍼灸をすると自然妊娠できる可能性を上げれるのかも含めて教えてくださると嬉しいです。
どうぞお願い致します。
以上です。
匿名さん、ご質問くださりありがとうございました。
>>抗ミュラー管ホルモンを測り、これがとても低く、先生からは「すぐに体外受精をしたほうがいい」と言われました。
一応解説しておきますが、抗ミュラー管ホルモンとはAMHのことです。
今回いただいたメッセージの情報が全てで、その他の検査は関係なく、匿名さんを担当したこの先生が
AMHが低いこと“のみ”
を理由に体外受精を勧めているのだとしたら。
僕個人的には
「ちょっとどうなのだろう。。」
と思ってしまいます。
AMHはあくまでも
”卵巣内に残されている卵子の在庫”
の目安になるだけで、
”卵子の質”
とは関係しません。
もちろん、その先生から言わせれば
「卵子の在庫が少ないのだから体外受精で毎周期の妊娠率を上げたほうがいい」
というスタンスになるのかもしれませんし、
それも全く間違いとはいえないのですが。
匿名さんが明確に体外受精へのステップアップは現時点で考えられないのであれば、もう少し西洋医学でもやれることはあると思います。
◯子宮卵管造影検査
卵管が通っているかどうかの検査です。
匿名さんが既にこの検査をしていて、かつ、両方の卵管が閉塞していてそれが理由で先生から即体外受精を勧められているのなら、ある程度納得せざるをえないですが、匿名さんがこの検査をまだしていないのであればやっておくべきかと思います。
検査の結果、両方問題なく通っていたとしても無駄になることはありません。
造影剤による卵管内の掃除作用や刺激作用が影響してか、この検査の後は数ヶ月にわたり自然妊娠率が上がることがわかっています。
◯人工授精
一般に人工授精は妊娠率がそれほど高くありません。
ただ、それでもタイミング法を数年重ねて妊娠しなかった夫婦が人工授精へのステップアップで妊娠するケースは少なからずあります。
『フーナーテストで問題がないのであれば人工授精を挟む意味はない』
と理論的に考えるクリニックもあり、正直僕もそう考えていたこともありましたが、人工授精で妊娠される患者さんをみていると、そもそもフーナーテストに問題がなかったケースも少なくないことから、体外受精への抵抗がある方に関しては人工授精へのワンクッションを入れることは基本的に賛成です。
”人工”
という言葉は入っていますが、精子を子宮腔内へ注入すること以外の過程は自然妊娠と変わらず、費用も体外受精より断然下がります。
>>もう自然妊娠を目指すことは難しいのでしょうか。
結婚5年目や10年目で自然妊娠されるご夫婦もいらっしゃいます。
現時点で解明されている妊娠のメカニズムはおそらくほんの一部で、妊娠はヒトにとってまだまだ神秘の世界のものです。
自然妊娠の可能性は、排卵と性行為がある限りは、誰でもゼロではありません。
ただ、確率を上げるという意味で、前述しました子宮卵管造影検査は行っておくといいと思います。
せっかくクリニックの門を叩いたので、上手にクリニックを利用するくらいのつもりでいきましょう。
AMHは、卵子在庫の目安になることから、今後の不妊治療への取り組み方を考える上でとても参考になる指標の一つです。
ただし、あくまでも
「目安」
であり、実際には数年経ってもAMH値が変わらない人もいれば、逆に測る時期によって増える人も珍しくありません。
妊活期間もほとんどない中で、AMHの数値だけをもってして体外受精へのスキップを半強制されるというのは、正しいとは言えません。
もちろん、「患者様自身が納得した上で」ならいいのですが。
匿名さんのように体外受精への抵抗があるのなら、ご自身の年齢と、その他検査結果も包括的にみた上で今後のスケジュールをたてられることを個人的にはお勧めしたいです。
最後にこちらの質問にお答えします。
>>鍼灸をすると自然妊娠できる可能性を上げれるのかも含めて教えてくださると嬉しいです。
日本で鍼灸が栄えていた時代は、体外受精も人工授精もなく、もっといえばエコーによるタイミング指導すらありませんでした。
その時代になかなか妊娠しない方に行われていた主な不妊治療の一つが
”東洋医学に基づいた不妊鍼灸”
です。
不妊鍼灸は、自然妊娠はもちろん、人工授精・体外受精どのステージで妊活に取り組まれている方にとっても、成功率も底上げするものになっていると僕は確信しています。
よろしければ当院の相談者様の声もご覧になってみてください。
当院の初診では、まずはじっくりとカウンセリングをさせていただき、あなたがこれからどう妊活に取り組んでいかれるのがベストなのかを具体的にご一緒に考えさせていただきます。
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