2016.11.15 - 2021.9.25
日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの國井(くにい)です。
今日もいただいたご質問にお答えさせていただきたいと思います。
お名前:パンダさん
ご質問内容:
ひとつお聞かせください。
私はいま、体外受精にチャレンジしているのですが、いま通う病院は必ず胚盤胞まで育てる方針で、胚盤胞にならないことには胚移植をしてくれません。胚盤胞になる前に死んでしまうタマゴは、2日目や3日目に移植していたとしてもお腹の中で死んでしまうのでしょうか?
以上です。
パンダさん、ご質問ありがとうございました!
一般的には、
分割胚よりも胚盤胞のほうが着床率が高い
ということはあなたもご存知かもしれません。
『胚盤胞移植肯定側』
からすれば、今回パンダさんがおっしゃっているように
胚盤胞になるまえに成長が止まってしまう胚は、
分割胚の時点で移植していたとしても当然、
お腹の中で同じ運命を辿っていたはずです。
だから
胚盤胞まで培養するということは、生命力が強く、着床率の高い胚を事前に選別することができ、無駄な移植を避けることができるのです。
という見方ができるかと思います。
。。。ですが、
実際には人間の体は理屈どおりにいかない
ことだらけです。
以前、僕が担当していた相談者さんでこんな方がいました。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
クリニックは新宿の有名院。
クロミッドで成熟卵が2つ採れて、採卵2日後の時点でどちらも4分割胚。
ひとつを新鮮で移植し、もうひとつは胚盤胞まで培養の方針。
しかし、採卵から7日後の胚盤胞凍結確認の電話では、桑実胚でストップしてしまったことを伝えられ大きく落ち込む。
「お腹に戻した方もダメかもしれない。。」
という絶望感に耐えながら迎えた判定日。
結果は陽性。
そのまま元気な女の子を出産。
それから約2年後。
二人目のための治療を再開し、当院にも再来院。
同じ新宿のクリニックで、クロミッドで採卵。
このときは3つ成熟卵がとれ、採卵2日後の時点で3つとも順調に分割。
一人目の時と同様に、ひとつを新鮮分割胚で移植し、他2つは胚盤胞培養にチャレンジ。
結果、培養を続けた2つの胚は胚盤胞前で成長ストップ。
しかし、判定日にはまたも陽性。
二人目は元気な男の子を出産。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。
嘘でもなんでもなく、僕が以前診ていた相談者さんの実話です。
『分割胚移植肯定側』
からすれば
体内環境と体外環境はイコールではありません。
より体外に暴露される時間の長い胚盤胞培養は、胚に大きなストレスを与えてしまう可能性も否定できません。
胚にとって最も自然な体内(子宮腔内)に極力早めに戻してあげたほうがいいでしょう。
とも言えるわけです。
あくまでも結果論ですが、先ほどの相談者さんにとっては間違いなく、
分割胚移植のほうが合っていたのだろう、と推測できますよね。
ただし、やはり胚盤胞移植のほうが合っていたと思われる結果となる相談者さんもたくさんいらっしゃいますけどね。
同じ人の同じタマゴで二つの未来をみることができれば一番いいのですが、それは当然無理な話なので^ ^;
いずれにしても、
分割胚移植、
胚盤胞移植、
片方しかやったことがなく結果に繋がっていない人は、もう片方を試してみる価値はあると思います。
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