2016.5.27 - 2021.1.12
日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの國井(くにい)です。
体外受精にて採卵した後に、ソフィアAやプラノバールなどのピルを処方されることがあります。
ちなみに有名な東京・新宿の不妊治療専門クリニックでは、クロミッドを使った採卵後はほぼ必ずソフィアAやプラノバールを処方していますね。
一体何のためなのでしょうか??
今日はそのお話です。
脳の下垂体(かすいたい)と呼ばれるところからでるFSHというホルモンの作用により卵胞が育ち排卵すると、卵胞の残骸が黄体に変化します。
黄体からは
「エストロゲン」
と
「プロゲステロン」
というホルモンが分泌されるのですが、これは脳の下垂体からでるLHというホルモンが黄体に作用するからです。
FSHとLHは合わせて性腺刺激ホルモンと呼ばれます。
通常の自然な周期であれば、排卵後の黄体期には、排卵しなかった主席以外の卵胞は消失します。
しかし、採卵直前までクロミッドを服用していた周期では、クロミッドの作用(FSHの亢進)が黄体期にも残ることにより、結果的に主席卵胞ではないその他の卵胞も黄体期に中途半端に成長してしまい、翌周期に持ち越してしまうことがあります。
これをいわゆる
”遺残卵胞(いざんらんぽう)”
といいます。
一般的に、遺残卵胞からはいい卵が採れる可能性は低いとされていますし、仮に採卵周期に入っても、他の卵胞との大きさが均一じゃない分、複数の採卵を臨める可能性も低くなるので、一度お休み周期をはさまなくてはいけなくなったりします。
ソフィアAやプラノバールはプロゲステロンとエストロゲンの混合薬。
クロミッドなどの排卵誘発剤を使用した採卵後に、ソフィアAを服用することによって、脳の最高司令中枢である視床下部は本来の黄体から出ているプロゲステロン・エストロゲンよりも、もっとたくさんのプロゲステロン・エストロゲンが分泌されている。
と騙されます。
すると
「これ以上、黄体に頑張ってもらう必要はないよ〜」
ということで、
下垂体からの性腺刺激ホルモン(FSH・LH)の分泌を抑制します。
FSHが抑えられることで、結果的に黄体期に残っていたその他の卵胞も退縮しやすくなります。
つまり遺残卵胞ができる確率も下がります。
採卵後に処方されるピルは、よく
「卵巣を休ませるため」
って聞いたことありませんか?
これはつまり、ピルによって外からプロゲステロンとエストロゲンを直接補充することにより、脳からのFSH・LHを抑制するということです。
卵胞も黄体もどちらも「卵巣」内にあるものですから、FSH・LHが抑制されるということはつまり、脳から
「卵巣はとりあえず働かなくていいよ〜」
と司令がでているようなもの。
ということですね。
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