2023.5.6
くにい治療院院長の國井です。
2022年4月より体外受精の保険診療が始まって早くも一年が経過しました。
客観的にみて、東京ではより不妊専門クリニックの乱立が進み、患者の奪い合いが激化しているように見受けられます。
それと期を同じくして、ある現象が起きています。
今回はその話を。
=目次=
「卵子凍結」
を行うクリニック・施設がこの一年で急増する現象が起きています。
当院にもここ数ヶ月で
「卵子凍結のために鍼灸をしてほしい」
という患者さんが複数いらっしゃいました。
「卵子凍結」
がよくわからない方のために補足しておくと。
卵子凍結とは、主にまだパートナーと巡り会っていない、もしくはパートナーと子どもをつくる意志に相違がある場合などに、少しでも若いうちに卵子を凍結しておく目的で行われるものです。
どうやって卵子を凍結するのか。
その手順は体外受精と同様に
「採卵」
という形で行われます。
ただし、体外受精の場合は採卵後にすぐに卵子と精子を出会わせる形となりますが、卵子凍結の場合は採卵後に精子と出会わせることなく卵子単体で凍結するところが異なります。
もともと、東京都内では数年前からも卵子凍結を行っているクリニックがいくつかはありましたが、この一年で本当に本当に増えました。
前述の通り、体外受精ではまさに患者さんの奪い合いが激化していますが、2次的に卵子凍結を行う患者さんの奪い合いもスタートした印象です。
卵子凍結をしていた方にパートナーが見つかった際、その後いざ体外受精に踏み切ることになった場合は、卵子凍結をしていたクリニックで体外受精をスタートさせるのが自然な流れですからね。
つまり、卵子凍結を行う患者さんの奪い合いは、いわば、
「未来に体外受精をする患者さんの奪い合い」
とも捉えることができるわけです。
重ね重ね、東京では卵子凍結を扱うクリニックや施設が急増しています。
ここで本題ですが、卵子凍結を行う際に鍼灸は有効なのか。
前述の通り、そもそも卵子凍結を行うクリニック・施設自体が少なかったですし、また、鍼灸を受けて卵子凍結を行ったとしても、その卵子を実際に使用した体外受精の結果が相当数蓄積しない限り、卵子凍結に対しての鍼灸の有効・無効は断言することはできません。
ただし。
体外受精に鍼灸を併用した際の結果は一定数蓄積しています。
この結果をもとに、
「卵子凍結にも鍼灸は有効となりえる」
と当院では考えています。
くにい治療院では、2016年〜2020年までの5年間で、1377件の移植に合わせた不妊鍼灸の結果を蓄積しました。
1377件の移植中、妊娠(胎嚢確認)に至ったのは647件で、胚移植あたりの妊娠率は約47%でした。
これは全国の胚移植あたりの妊娠率が例年おおよそ30%台前半のことを考えると、やはり当院の不妊鍼灸は妊娠率を大きく上げることに付与していることが示唆されると自負しています。
そして、
「卵子凍結に鍼灸が有効となり得るか」
の答えも、当院では以下の結果から間接的に導き出しています。
前述した、寄り添った1377件の胚移植が、
「当院来院前にすでに採卵していた胚か」
「当院来院後から採卵した胚か」
で比較検討していたのです。
当院来院前にすでに採卵していた胚の移植は168件、うち妊娠に至ったのは61件。
= 当院来院前に採卵していた胚の妊娠率は約36.3%。
当院来院後より採卵した胚の移植は1209件、うち妊娠に至ったのは586件。
= 当院来院後に採卵した胚の妊娠率は約48.5%。
つまり、事前に当院にて鍼灸を受けてから採卵した卵の方が12%以上も妊娠率が高かったのです。
これは結果的に、鍼灸を受けることが卵子の質を上げる可能性が示唆されたと捉えることができます。
つまり、卵子凍結をする際にも鍼灸を事前に受けておくことは効果的となる可能性が高い、と考えられるのではないでしょうか。
そしてもう一つ、卵子凍結を検討されている方に事前に知っておいていただきたいことがあります。
卵子凍結をお考えの方のほとんどは、まだ妊活をしていない方だと思います。
そういった方々に、声を大にして伝えたいこと。
それは
不妊治療は、とくに体外受精になるとクリニック間での技術格差が想像以上に大きいということ。
くにい治療院は2010年の開院以来、東京のあらゆる不妊専門クリニックで体外受精をされている方に寄り添ってきました。
そんな中、体外受精がなかなか成功せずに絶望していた方の突破口としてたくさん見てきたのが
「クリニックの転院」
です。
どこのクリニックがその方の正解になるのかは、最終的には結果論でしかわかりませんが、それでも当院のアドバイスや情報提供が功を奏したと思われる症例は過去に数え切れないほどありました。
あらゆるクリニックに通院されている、あらゆる患者さんの結果をみていくと
「成功率の高いクリニック」
が見えてくるのです。
せっかく若い卵子を凍結できたとしても、そのクリニックの技術レベルが低かった場合は可能性を大きく下げてしまいます。
もしも卵子凍結を検討するなら、私だったら確かな実績のあるクリニックを選びます。
卵子凍結を行う際は、クリニック選びから慎重に取り組まれることを強くお勧めしたいです。
上記で挙げた、当院の不妊鍼灸の効果の検討は、以下記事に詳しく書いています。
お時間があればぜひお読みください。
体外受精の保険適用を皮切りに、卵子凍結という分野も大きく動き始めました。
近い将来、未婚女性の多くが卵子凍結を行うことが当たり前の時代がくるかもしれません。
もしも卵子凍結をお考えの際は、採卵に向けての身体づくりはもちろん、クリニックの相談も兼ねてぜひくにい治療院をご利用ください。
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